SOLD OUT
富士山展3.0-冨嶽二〇二〇景- marumasu富士山ストール②
marumasuと現代美術作家の中村ケンゴとのコラボレーションで生まれたストールです。
■作品コンセプト
《Fujis》 というタイトルは、複数の富士山の意。富士山という唯一無二の日本の象徴的なモチーフを複数形で描くシリーズの一点で、和紙に岩絵の具で彩色する日本画の技法で制作されています。2018年の個展『JAPANS』にて発表した作品。
■ストールコンセプト
marumasuで評価の高いシルクウールストールを美術館の壁面と見立てて中村ケンゴの絵画「Fujis」を収蔵した作品です。
「Fujis」は、日本を象徴する富士山を複数並べた日本画で、伝統的な和紙に岩絵の具で描かれたこの絵画をmarumasuのストールに仕立てました。
沢山の富士山が描かれた日本地図の絵画からトリミングされ配置することでストール平面の中で新しい富士山展を開いてみました。
平面構成された絵画は巻き方次第で様々な色合いで身に付けることが可能です。
巻き方次第でさまざまな富士に包まれる感覚をお楽しみください。
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Fabric:シルク60% ウール40%
Size:130×130(㎝)
取り扱い方法:ドライクリーニング
生産地:日本製
※ギフトラッピング希望の方は備考欄に「ギフトラッピング希望」とご記入ください。
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■作家プロフィール
中村ケンゴ (Kengo_Nakamura)
Eメールで使われる顔文字、ワンルームマンションの間取り図、マンガの吹き出しやキャラクターのシルエットなど、現代社会を表象するモチーフから、美術史上のさまざまなイメージまでをも用いたユニークな絵画を制作。日本画の技法で描かれるこれらの作品は、近代になって生まれた日本の「美術」の概念を相対化する仕事でもある。また、絵画制作だけでなく、他ジャンルのクリエイターとのコラボレーションのほか、展覧会、シンポジウムなど様々なアートプロジェクトの企画運営にもあたる。国内外の展覧会、アートフェアに多数出品。
■富士山展3.0-冨嶽二〇二〇景-とは
富士山は長きにわたり、日本を象徴するシンボルとしてその意味を変えながら人々の中に存在してきました。それは、有史以来、神話、宗教、政治、美術など多様な領域の記録や表現に残っていることからも明らかです。
富士山の火山活動が活発であった9世紀〜11世紀、富士山は実物を見ることすら難しい崇高な霊山でした。交通網の発達により多くの人が実物を見ることができるようになると、富士登山や富士信仰が大衆化し、畏れ多いものからランドマーク的な象徴へと変容しました。その後、国家主義の時代にはプロパガンダのため大日本帝国の象徴として用いられましたが、現在の富士山はオリエンタリズムのシンボル、つまり外から見た際に日本とイコールの意味を持つ記号となり、古くから受け継がれてきた象徴的意義を喪失し、デフォルメされた絵文字的記号となっています。
これは、日本の美術史における富士をめぐる表象とも連動しています。現存する最古の富士をモチーフとした作品、「聖徳太子絵伝(しょうとくたいしえでん) 第三面」(1069年)では、神格的な存在(聖徳太子)が成し遂げたとされる偉業、富士登頂を世に伝える役割を果たしていたと考えられており、当時の人々にとって富士登山は選ばれし者のみ成し遂げられる、特別なものだったことがうかがい知れます。その後、富士が大衆化していくとともに、領域や時代にかかわらず、水墨画の雪舟、狩野派、南画の与謝蕪村など多くの巨匠たちが富士をモチーフとして選んだことや、富士信仰の普及に伴い宗教画としても多く描かれたことにより、そのイメージが伝播されていきました。 浮世絵が流行すると、名所画として非常に需要が高かった富士山はより頻繁に描かれたことからも、富士山が当時の人々には景勝の地として親しまれていたことが読み取れます。なかでも葛飾北斎の「富嶽三十六景」は海外へも波及し、ジャポニスムとして西洋の美術動向にも多大な影響を与え、富士山を日本のシンボルとして西洋の人々に印象づけました。 現代においても、「文展」にルーツを持つ日本の作家がその伝統を踏襲しながら富士を描いているだけでなく、草間彌生や村上隆など現代美術の文脈で活動する作家も様々な視点から富士山に着想を得た(モチーフとした)作品を制作しています。しかし、未だ西洋を中心とした現代アートで扱われる富士山は、海外からみた「富士山=フジヤマ」としての性質が強く、日本の歴史の中で形成された富士山の象徴的意義は喪失しているのではないでしょうか。
本展では、約1000年もの間、日本の表象文化と密接な関係にある「富士山」を現代の視点で捉え直すことにより、多様化した表現領域を包括した新たな日本美術の文脈を提示することを目指します。さらには、多様な象徴的意義を持つ「富士山」をテーマとすることは、「象徴貧困時代」と言われる時代において、象徴とは何かを問い直すきっかけなるのではないでしょうか
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